vol.03 パピーウォーカーとぼく
今回はパピーウォーカーについてのお話しをしてみようと
思います。
パピーウォーカーとは?
ぼくたちは生まれてから2ケ月たつと、パピーウォーカー
という家庭へ預けられるんだ。
パピーウォーカーとは、ぼくらが盲導犬として立派に育つ
ために欠かせない経験をさせてくれる家族のこと。
そこで約10ケ月間生活して、人と暮らすルールを覚えたり、
たくさんの愛情を受けて、人のことが大好きな犬に育って
いくんだ。
ぼくらはみんな、1歳になるまでパピーウォーカーの家庭で
生活するんだけど、犬の1歳は人間の思春期にあたるん
だって。
盲導犬になるための訓練をするぼくらにとって、
この期間の過ごし方がとっても大事なんだ。
パピーウォーカーとの出会い
パピーウォーカーを希望する家族は、日本盲導犬協会まで
申込みをしてから、説明と面接を受けて、ぼくらが来るのを
待ってます。
協会のスタッフは、ぼくらの個性とパピーウォーキング
希望の家庭の、家族構成や環境を考えて、ぼくらの
行き先を決めてくれるんだよ。
盲導犬になってからの家族と一緒に過ごす時のことも
考えて、おうちの中で家族と一緒に暮らせたり、
長い時間ぼくらがひとりでお留守番しなくてもいいような
家庭がいいんだ。
もちろん、家族みんなが一緒に、ぼくらのしつけを
してくれることも、とっても大事なんだよ。
もともと犬が苦手だったパパが、ぼくらが来てから犬が
大好きになっちゃったっていうこともあるみたい。
パピーウォーカーとの暮らし
規則正しくご飯を食べたり、「ワンツーワンツー」という
掛け声でおしっこやうんちをしたり、しっかり運動したり、
人と一緒に暮らすためのルールもパピーウォーカーに
教えてもらうんだ。
ふわふわのソファーやベッドに飛び乗ったらダメ
なんだって。やんちゃなぼくは覚えるまで大変だったな。
また、電車の音や赤ちゃんの鳴き声を聞いて、外の音に
慣れたり、車に乗っていろんなところに連れて行って
もらったりして、たくさんのことを経験するよ。
ぼくのパピーウォーカーは、パパ・ママ・お兄ちゃん・
お姉ちゃんの4人家族だったから、みんなに沢山
遊んでもらったよ。
人との生活と信頼関係
こうしてぼくらは1歳になるまで、パピーウォーカーの
家族に愛されて、人と一緒だと「楽しいな、心地いいな」
っていう気持ちになって、人のことが大好きになって
いくんだ。
そして人と一緒に暮らすときのルールも覚えて、
盲導犬になったときに目の不自由な人との生活が
スムーズに送れるようになるんだよ。
そうそう、ぼくの名前もパピーウォーカーにつけて
もらったんだ。
一緒に生まれたお兄ちゃんや妹たちは、みんなおんなじ
アルファベットの頭文字の名前がつけられるんだよ。
次は、パピーウォーカーとどんなふうに過ごしていたか
お話するね。
じゃ、またね~