私の友人(テニス仲間)気象学者の小山さんが、ある時、「貞さんのメンズファッションの基礎知識は、ちっとも基礎でないよ。私達の様に、自然の中で、地球の気象を観測している者にとって、とてもむつかしい。業界の人達なら判ると思うけど・・・。」
小山さんは、とても素敵な人で、山や谷、時に北極で生活していても、平時はいつもおしゃれを心掛けている。
でも、一体、何がおしゃれなのか判らないから、その辺について誰にでも判る話をして欲しい。

マイッタ、これは大変な事に成った。
筆が止まってしまったが、約束だから書かねばならない。
「オシャレは、オシャレを心掛けなければ、オシャレに成れない。中年を過ぎると、男性は体形がくずれ、ほとんど諦めてしまう。妻が買ってくる服を、盲目的に着用する。せめて、清潔にだけは心掛けるが、妻が・・・。」

意を決して、自分で旅行着や行楽の為に、カジュアルウェアという物を買ってみる。
思い切って買うから、少々派手なものに手を出してしまう。店員の煽てに乗って、借りてきた舞台衣装の様に成ってしまう。
誰も誉めてくれない。
増々自信を失ってしまう、こんな経験は、誰にでもあると思うのです。

服装は全体のバランスですから、他人から眺めてもらって格好良いのが一番です。
勿論、その他人がセンスの良い人でなければなりません。

注意事項のひとつに、「自分が好きな服ほど似合わない」。

これは、私達の経験値で言われており、かなり重要なことなので記憶しておいて欲しい。
特にカジュアルウェアの様に、着用にルールの無い服装はむつかしい。
その人の感性も問われるし、体型という曲者が邪魔者であるし、何しろ、安上がりに全体をまとめてしまうと、全体がとてもチープ感(素材の光沢感、手触り、縫製のグレード等)が漂う。

服が安い時は、すごく高級な靴やバッグ等の装身具にお金を掛けて、バランスを取る事が重要になります。全てを安物でまとめると、体型でカヴァー出来る若者の肉体のフレームでもない限り、とても貧相な人に見えてしまいます。

オジ様はオシャレする イコール 派手な柄物を着る、と信じ込んでいる人が多いのは、大変残念であります。
上質な無地を上下で着用することがどんなに格好良いか、認識して欲しい。
重要なのは、上下とも柄ものを着用しない、上が柄の場合、その柄を抑える為の下を選ぶ。
ボトムスは、ベージュ、カーキ、白、紺、黒が良い。
下が柄もの、昔のプロゴルファーで、ださい言葉の代名詞にもなったように、大変にむつかしい。
無地に近いくらいの柄ものが良い。
柄が一人歩きするような派手なものは、オジサンは絶対辞めた方が良い。
柄物の上は、白・紺・黒のように、色が自己主張しない色にする。
黄・ピンク・赤・グリーン等は、色柄のボトムには、よほど注意して、色合せしたりしても、達人でない限り、お薦め出来ない。
靴下はTOPSの色に合わせて着用すると、上質な靴からちらっと見えるその色がコーディネイトされている為、センスが光って見える。
カジュアルだから何でも白い靴下というのは頂けない。
大きなワンポイントや、汚れの目立つ白靴下は、全てを台無しにします。

カジュアルウェアの初歩的な注意として、上品な色は、素材が良く無ければ出ないのです。
オジ様が上品に見えたいと願うとすれば、出来る限り上質な素材を選んで下さい。胴廻りがかなり太くなり、足の短い人(私の様な)は、カジュアルウェアとしてジーンズを穿く事もお薦め出来ない。
ジーンズを穿く場合は、洗濯石鹸の香りのするもの、すなわち、洗い立ての、くたくたになっていないものをタイトフィットに着用する。
尻や膝が抜けてきたら、穿いてはならない。
すぐに洗濯して下さい。
そして、ジーンズは特別にベルトが目立ちます。上等なジーンズに合うベルトを着けます。
間違っても、スーツ用のベルトを使わないで下さい。
みじめな姿になる事を保証できます。