いま、自分が持っているのは人生に本当に必要なモノか、そう問い直すペトリに賛同する。
初日、ツイード製コートを取り出したペトリは、コートの袖に脚を入れ、前ボタンを留める。
「寝袋のようで暖かい」と、満足そうに話す。
2日目、靴を出す。はだしで雪の上を走るのがどれほどつらいことか、
迷うことなくプレーントウを持ち出すペトリ。
3日目は毛布。冬のヘルシンキの気候が彼に毛布を選ばせたのがよく分かる。
4日目ジーンズ。5日目シャツ。20日目カーペット。50日目2脚めのイスが彼の部屋に運び込まれる。
彼は語る、「最初は何を取り出そうかとワクワクした」。だが、2ヶ月ほど経つと何もほしくなくなった。
「日々の生活で本当に必要なモノは100ぐらい」と気づく。
「あとは生活を楽しむためのモノだった。どんな人生を送りたいか自問しながら、ひとつひとつ取り出していった」。
ちなみに、100日目に出したモノは「水着」だった。(つづく)