思い出しても顔が赤らむのは、「MEN’S CLUB」第14集(1959年4月)のグラビア。穂積さんたちと立ち上げた「アイビー・クラブ」の取材を受けた。精いっぱいおしゃれをしていったが、靴には自信がない。2つ鳩目で爪先のとがった靴を履いている。

知らないとは恐ろしいことだ。なんとなくマッチしていないと思ってはいたが、ホンモノのアイビーというかアメリカ靴をまだ知らなかった。

「REGAL」と提携したとき、「グッドイヤー・ウエルト式」という製靴法を学んだ。それまでもやもやしていたアイビー的な靴が具現化した。それがVAN-REGALのウィング・チップだった。

だが、あれはビジネスマン向けの靴で、学生が履くものではない。それを知ったのはしばらく経ってからのこと。くろすとしゆき最大の失敗!

ウィング・チップがずしりと重い。

(おわり)


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