前回「YOUNG-AT-HEART」で終わったのだが、何のことか分からなかった方もいたことだろう、あらためて解説。
石津健介がアパレルメーカー「VAN」を立ち上げたのは1951年のこと。ターゲットは中年のおしゃれ紳士。ブランドのVANは、石津が以前から温めていた。戦後間もなく風刺漫画雑誌が創刊した1946年、その名は「VAN」。VANには「前衛」の意味があり、誌名にふさわしかった。
石津はひと目で気に入り、いつか自分が会社を興すときは社名を「VAN」にしようと決めた。
こうしてVANが誕生する。当初のロゴはいまとまるで違う筆記体。その後何回かロゴは変わり、いまの書体に落ち着いたのは、若者向けに方向転換した時。「FOR THE YOUNG AND THE YOUNG-AT-HEART」もその時のこと。「若者そして若い心の持ち主」の意味を込めて。
(つづく)
© BUNSEI Shoin