「ボンド・ルック」が主催者テイジンにどれほど貢献したか分からないが、映画は話題となり、配収7億6千万円の大ヒット。

日本での騒ぎをよそに、ショーン・コネリーはやる気を失っていた……と聞く。原作者のイアン・フレミングはコネリーが気に入らなくて、「必要なのはボンド役で、老いたスタントマンじゃない」とボロクソ。

当時、コネリーは31才。スコットランド生まれで13才で学校中退、牛乳配達、れんが積みなどを経て海軍入隊。その後トラック運転手、ライフガードなどから役者になった。

一躍世界的大スターとなったコネリーだが、後年、嫌いな自作を問われ、「すべての007シリーズ」と答えている。お気の毒なコネリー!便乗したわけではないが、「薔薇の名前」(1986年)、「アンタッチャブル」(87年)での、ズラを外して薄くなった髪を見せた彼の方が、わたしは好きだ。
間もなく仏式でコネリーの四十九日が来る。

(おわり)