アメリカのポピュラーソング・シンガー、俳優のドリス・デイが5月13日亡くなった。97才だった。

ドリス・デイというと日本では「ケ・セラ・セラ」で有名。アルフレッド・ヒチコック監督映画「知りすぎていた男」(1956年)で主演女優を演じ、主題歌の「ケ・セラ・セラ」を歌ってヒットした。

50年代、ヒチコック映画はほとんど見ているが、「知りすぎて−−−」は感心しなかった。また、主題歌もヒットしたようだが、数多いデイの歌の中では好きな曲ではない。わたしのベストワンは、敗戦直後の「センチメンタル・ジャーニー」(45年)だ。

東京の家は爆撃で全焼。栃木県の疎開先で敗戦を迎えた戦後、ラジオをいじっていたら甘美な音楽が流れてきた。在日米軍向けチャンネル「WVTR」(現AFN)だ。日に数回放送されたヒット曲が「センチメンタル・ジャーニー」だった。甘い歌声の主がドリス・デイ。

(つづく)