タータン・パンツ企画立案者としての責任を取り、1本購入(もちろん社員割引)。自ら宣伝のため毎日のようにはいた。
はいて分かったことがある。たしかに1967年当時、男でこんな派手なパンツはいない。だが、東京の人は気になっても見て見ぬふりをしてくれた。それに気付かなかったのはうかつだった。
たまたま、出張で東北へ行く機会があった。わたしはネイビーのダブル・ブレザー(VANではニューポートと呼んでいたアレ)にタータン・パンツを合わせて行った。街を歩いていると、人がよける、ジロジロ見る。これにはまいった、急に恥ずかしくなったのを覚えている。
いまや高校の制服になったブレザーにタータンのパンツやスカートだが、半世紀前は人騒がせのタネだった。「男のくせにあんなズボンなんかはいて…」まるで変態あつかいの時代があったのだ。
教訓:早ければいいってもんじゃない。
(おわり)