テニス4大大会のひとつ、「ウィンブルドン選手権」が終わった。今年はサッカーW杯と重なり、いつもより盛り上がりに欠けた。
わたしがウィンブルドンに興味を持ったのは今から40年以上も前のこと。VANを退社した1970年、アイビーのお手本になっていた英国の服装や生活に関心を抱くようになっていった。というのは、60年代の10年間は、VANにいて朝から晩までアメリカ、アメリカの毎日だった。アイビーのネタ元であるイギリスに、少しずつだが目が向くようになったのは、ごく自然の流れだった。
VAN退社2年後の72年、イギリス行きのチャンスが訪れた。スケジュールの間に、ウィンブルドン行きを無理やり押し込むことに成功した。
3月のロンドンは暗く寒かった。ロンドン郊外にあるテニスの聖地ウィンブルドンの前に立った。威厳に満ちた建物に、大英帝国の歴史と厚みを感じ、思わず身震いした。
(つづく)