「トヰード(ツイード)TWEED スコッチ総称。最初蘇格蘭土地方に於て手紡手材とせしホームスパンの事のみを称へたるものなりしが現今にては手織に限らず機械織のスコッチの類をツイードと総称するに到れり。原料にはブラックフェース・チェビオットの如きスコッチ種の羊毛を以て普通経糸は双糸の太糸となし緯には単糸を用ひ平織綾織杉織或は格子縞等に製織さる」(原文のママ)『英和洋装辞典』木村慶市編

トヰードという和訳が時代を感じる。「ヰ」という字は現在使われていない、「イ」に統一された。昔はヰとイを使い分けた。「W」が付くのはヰと訳されていた。「WHISKY(ウヰスキー)」や、創刊時のジャズ誌「SWING JOURNAL」は「スヰング ジャーナル」と表記されていた。

この辞典の初版は昭和7(1932)年発行。蘇格蘭土(スコットランド)など、難解な漢字が出てくるが、いまとなっては歴史の重さがあり、むしろうれしい。

(つづく)