ビル・カニンガムは84才(当時)でバリバリの現役カメラマン。
それもストリートファッションしか撮らない変わり者。映画はビルの日常を追ったドキュメンタリー。
ニューヨーク・タイムズ紙の毎日曜日に、ファッションコラムを1963年から続けている。
実は同じ年にわたしは「MENS’ CLUB」で「街のアイビーリーガース」をスタートさせている。
思えばこのころから東京やニューヨークでストリートファッションが目立ち始め、カメラマンの写欲を刺激したのだろう。
「街アイ」は90年で打ち切りとなるが、ビルの「ON THE STREET」は、入院するまで続いた。
ビルのコラム、実はノーギャラ。「ギャラをもらうと自由を束縛される」、それが嫌でタダで仕事を続けている。
なので生活は清貧そのもの。屋根裏部屋での独り暮らしで、食には無関心。
着る服はヨレヨレのカバーオールという住食衣だ。
(つづく)