ネス湖は細長い湖で、湖畔を一周できる道路が完備されたスコットランド観光名所。
だが、真冬のネス湖など訪れる人もなく、辺りは静まり返っていた。
資料で見たネス湖は昼なお暗く不気味な雰囲気のはず、
ところが当日は晴天のためか不気味どころか穏やかで、湖面は波ひとつなく優しい表情をたたえていた。
話が違うぞ。こんな平和な湖に怪獣などいる訳がないと思えてきた。
唯一、怪しげだったのは湖畔に壊れかかった古い城が残っていた場所くらい。
石造りの城は半分崩れ、幽霊や怪獣が現れてもおかしくなかった。
あっという間にネス湖を一周してしまった。
途中、対向車に一度会っただけの静かでつまらぬネス湖観光ドライブだった。
ネッシー熱が時間の経過と共に冷めていくのを感じた。
だからといって、ネッシーが巨大ナマズ(長さ4メートル、重さ400キロ超)なんて
夢のない新説など断じて認めない。
きっといる、わくわくするようなヤツが・・・。(おわり)