チェスタァフィールド・コートについて調べるうちに、面白い言葉を見つけた。
「CHESTERFIELDIAN」だ。意味は次の通り。
「チェスタァフィールド卿風の。貴族然とした。優美な。上品な。いんぎんな」である。
上品の代名詞としてチェスタァフィールド卿の名前が使われ、辞書にも載っていたとは知らなかった。
チェ卿は後世にその名を残すほどの「しゃれ者」だったのだ。
19世紀に戻れることなら、当時の彼の日常を見てみたい。
1日をどんな服装で、どんな立居振る舞いで過ごしていたかを知りたいものだ。
洗練されたマナーで周囲の人々をうっとりさせていたに違いない。
“貴族然とした”とは、いったいどんなことを言うのか…。
21世紀のいま、われわれの日常から“上品”とか“優美”という言葉が消えかけている。
関心が失われているのではないか。「上品」について考えてみたい。
(つづく)