以前、ジーンズは子ども服だと思っていたと言ったが、1950年代東京でジーンズをはいている米国人の大人を見たことはなかった。

米本国でも60年代半ばまで、東部のアイビー8校ではジーンズは認められていなかったと聞く。「TAKE IVY」取材は65年だが、ジーンズをはいている学生はほとんどいない。あの写真集で多いのはチノズとホワイト・ジーンズ。藍染めはNOだが白ならOKだった。ブルー・ジーンズは作業服という偏見が、保守的な東部には残っていたのだろう。

という訳で、保守派のわたしはジーンズを好まなかった。60年代後半、米国製中古を譲り受けてしばらくはいたくらい。だが、デニムではないジーンズ、例えばコーデュロイは好きで、何本か持っている。

要はあのゴツイ「デニム」という素材が苦手。生理的に受け付けない「ナニカ」が潜在し、脳のどこかでアレルギー反応が起こるらしい。

(つづく)