突然だが、「肩で風を切る」というコトバがある、いやあった。いまは聞かない。
学生時代(1950年代後半)、肩で風を切って歩いていた学生がいた。大体、体育会の連中で、たぶん強くて自信に満ち満ちた日々を送っていたのだろう。そんなポーズに憧れのまなざしを向けるクラスメートもいたが、わたしは関心がなく、むしろ冷ややかに見ていた。
というのも、「肩で風を切る」には、威勢がよくて得意な態度を見せる」と辞書に載っているように、「どけどけ。おれ様のお通りだ」的イメージを抱いていたからだ。
また、「肩を怒らす」といえば「肩を高く張って、人を威圧する態度をする」など、「肩」の付く熟語にはあまり良い意味がない。なかには「肩で息をする」「肩身が狭い」など、反対の「肩」もあるにはある。
今回は「肩」……というより横文字の「ショルダー」についての考案。
(つづく)