アイビー・パンツの特徴はノータックでスリムなシルエットを持つ。ヒップポケットの中間に小型の「BUCKLE(バックル)」が付く。いやでもパンツのウエストに視線が集まることに。
「アイビー・スラックス」の名でVANがノータックのパンツを売り出す。1962年のことだ。パンツは若者の間でヒット。気を良くしたVANは初めてベルトを手掛ける。コードバン(馬革)1枚革のシンプルなデザインで、色は黒のみ。というのはパンツはグレー中心だったから。
コットン・パンツを発売したのは64年。ベルトもカジュアルでカラフル――例えば、マドラス・チェックを使ったもの、レジメンタル・ストライプ、リボン・ベルトなど――バラエティも豊富。メンズ・ショップの店内は華やかになった。
60年代はベルト元年。70年代はジーンズの普及に伴いワイドでワイルドなベルトがウケた。
(おわり)
MEN’S CLUB 35(1964年 early spring号)より