米競売商「ジュリアンズ・オークション」はこうコメントしている。「ステージ衣装なんて着なかったカート・コバーンは『グランジ』の姿を確立した。このカーディガンは聖なる遺物だ」と。

「汚い」という意味の「グランジ」は、1980年代の華やかなロック・シーンの対極を突き、世界の音楽を一変させたが、コバーンは27才で自死した。

伝説の「グランジ・カーディガン」は、オークションにかけられ33万4千ドル(約3千6百万円)で落札され、話題を呼んだという訳。

3千万円という値が付いたのは、カーディガン自体にではない、カート・コバーンが死の前年まで身に付けていたからだ。このテのオークションはアメリカで盛ん。故エルビス・プレスリー、マイケル・ジャクソンらが身に付けていた衣装だから値が付く。熱烈ファンにとって、彼らの服ならいくら高くとも手に入れたい宝物。

(おわり)