「平成の困ったファッション」その3。
「令和」の時代になって思うこと。平成はファッション業界にとって、いいニュースなどひとつもなかった。困ったことばかり。忘れないうちに書き残しておく。
「フェイク・ボタンダウン」「サイドファスナー付きシューズ」に次いで書いておきたいのは「シャツの裾」。
シャツと名の付く衣服――ドレス・シャツ、スポーツ・シャツ、ポロ・シャツなど――(アロハ・シャツを除く)――は、昭和はズボンの中に押し込ま「ねばならぬ」モノだった。
子どものころ、動き回ってシャツの裾が半ズボンからはみ出ていると、母にしかられた。「だらしがない。ズボンの中へしまいなさい」と。
シャツの裾は外へ出すものではない、と教えられていたのに、疑問が生じたのは31才の初夏。「TAKE IVY」の取材で「YALE大」を訪れた1965年のことだ。
(つづく)