1960年代初め、アーガイル・ソックスのほとんどは英国からの輸入物だった。B社製が多く、素材は100%ウール。
初めて買ったアーガイル・ソックスは、ネイビー地にブルーと赤のダイヤ柄が織り込まれていた。無理をして手に入れたのだが、洗濯するたびに縮み、ついには子どもの靴下みたいになってしまった。
60年代後半、アーガイル・ソックスもアイビー・ワードローブの一環としてリストアップされたが、VANはつくっていなかった。というより、あのテの柄物を編めるメーカーを知らなかったからだ。当時、VANの靴下といえば、膝下までのロング・ソックス(正しくはHOSE)で、色はブラック、ネイビー、ダーク・グリーンの3色だけしかつくらなかった。
アーガイル・ソックスを近頃目にしなくなった。服装が軽くなり、伝統の重さの残る英国製靴下はいまの服にマッチしなくなった。
(おわり)