時は流れ、1950年代後半、東京に初の「ハンバーガー・イン」がオープンした。朝までやっているので、家で眠るのがカッコ悪いと思い込んでいる若者たちでにぎわっていた。

六本木のハンバーガー・インは後のことで、初めての店は乃木坂(港区)の住宅街にポツンと建っていた。カウンターだけの小さな店で、看板通りハンバーガーしかない。

トレンド通の友人のお供でついていった。目の前に「丸パンのサンドイッチ」が出てきた。友人は手慣れた様子、両手でパンをつかみ、大口を開けてかぶりついた。いまの「恵方巻き」を食うのと同じだ。

その時知った。立川の米軍基地で食ったのは丸パンのサンドイッチではなく「ハンバーガー」だったのだ……と。

またまた時は流れ、1971年7月20日、銀座三越の1階に「マクドナルド」1号店が華々しく開店。日本ハンバーガー史に第一歩を記した記念すべき日となった。

(おわり)


出典:http://history-crew.mcdonalds.co.jp/