「ピケ」が、えん尾服の下に着用する白い「ウエストコウト(WEST COAT)」用生地だったとは初めて知った。いわれて思い出した、ロンドンの古着屋で買ったヴェストがまさにこの生地。それはうねではなく、ワッフル状のでこぼこが付いた替わった素材だったことを。では、帽子でかぶっていたあの生地の正式名はなんというのか。
「BEDFORD CORD(ベッドフォード・コード)」という名称を突き止めた。「織物の縦(たて)または斜めの方向にあぜをつくった緯(よこ)糸二重織りの一種」。要するに、起毛していないコーデュロイと思えばいい。
ベッドフォード・コードは丈夫な織物なので、乗馬用パンツや、作業ズボン用として使われたようだ。
ところで、ピケ帽と呼んでいたあの帽子、正しくは「ベッドフォード・コード帽」と判明したが、いまいちピンとこない2018年猛暑の夏。
(おわり)