紙の手帳同様、銀座で「なくてはならない」買い物がいまひとつある。CDだ。
わたしはいまだにジャズ、それも1950年代のモダンジャズ好き。テレビのない生活なので、息抜きや気分転換にCDを聞く。聞くうちに、あれが聞きたい、これも欲しくなり、CDを買いに行きたくなるのだ。
近くにもCDショップはあるのだが、銀座まで足を運ばないと気がすまない。4丁目にある「Y」だ。慣れもあるが、店内のレイアウトが見やすく、探しモノが容易に見つかるのも気に入っている理由。また、バーゲンコーナーで、思いもよらぬCDを見つけるのも楽しみのひとつ。
など、目的なしでは行かなくなった銀座だが、若いころの銀座は無目的。フラフラしていれば何かいいことが起きるのではと、胸をふくらませイソイソ通った。
当然のことだが、いい夢を見るために目いっぱいおしゃれをして……。
(つづく)