そのころ、浴衣を着るのは年配の女性、そして下町の頑固なおやじぐらいなもので、若い人は女も男も浴衣に無関心だった。

わたしは1人で意気がって「メンズ・クラブ」編集長に売り込みに行った。その結果、売り出し中の若手落語家・古今亭志ん朝と浴衣談義「浴衣でフン」というページをつくっていただいた(MC・28集・1962年6月)。ウケたかどうかは定かではないが・・・・・・。

浴衣に限らず「和」には粋なパターンがあり、チャンスがあれば「洋」に応用したいと考えていた。アイビーには「アイビー・ストライプ」(勝手にネーミングしたもので、アチラでは単にストライプだった)と呼ぶ魅力的なストライプ柄がいくつもあった。

それらの中には日本の伝統的縞「唐桟(とうざん)」や「丹前(たんぜん)」縞」そっくりなストライプがあった。

「丹前ストライプ」と命名した渋いストライプのジャケットやシャツが、VANの展示会にディスプレーされた。

(つづく)


MEN’S CLUB 第28集(1962年6月)

※今週は、金曜日(8/11)が祝日のため1日早く公開しました。