オスカー・ピーターソンの転倒というアクシデントに見舞われたが、無事J.A.T.P.初日公演は終わった。

ホンモノのジャズを生で聞き、正直なところ堪能というよりも満腹状態で、しばらくはジャズを聞く気が起きなかった。

ところで、J.A.T.P.ご一行様はどこに宿泊していたかというと、日劇からJRの高架を挟んだ向かい、出来たばかりの「日活ホテル」だった。日劇から徒歩3分もかからない恵まれた立地条件。

ホテルは、「日活国際会館」の最上階から数フロアを使った、戦後初のカッコいいホテル。日活の映画俳優の結婚披露宴などに利用された最もトレンドで、華やかなホテルとしてあこがれの的だった。

いまはなき日活国際会館(現・ザ・ペニンシュラ東京)だが、1階には「アメリカン・ファーマシー」があり、アメリカ大好きなわれわれには、東京で一番アメリカのニオイがする場所でもあった。

(つづく)