「あいびい あーかいぶす」に加えるジャケットが2種決まった。新作は、思った以上の出来映えで、大いに気をよくしている。
82才になっても新しい生地に会うとワクワクする。洋服屋歴約60年になろうというのに、飽きることなど一度もなく続けてこられた理由は、根っから服が――というよりアイビー大好きだからだ。
アイビーはわたしにとって「先生」時に「友だち」。教えられたり教えたりの関係が途切れることなく今日まで続いている。この喜ばしい間柄は、多分死ぬまで続くことだろう。
いま、実はワクワクしている。夏服が出来上がったばかりなのだが、早くも2017年FWのコレクションにどんな素材を使おうかと、期待で胸がふくらんでいる。それは決して ’60年代のリバイバルではない。2017年の感覚、2017年の目で選ぶ色であり、柄なのだ。そこに82年間の経験が生きるわたしの目、「クロス・アイ」がある。
(おわり)