久しぶりにテリー伊藤に会った。雑誌「へイル メリー マガジン」の対談である。
テリーに会う日はワクワクする。どんなカッコで現れるか想像するのが楽しいからだ。
この前会った時は黒のスーツ姿だったが、テリーが着るのだからフツーではない。服全体に白貝ボタンがスパンコールのように縫い付けられた、感動的なスーツだった。
今回は何を着てくるのか、いくら頭を働かせても思いつかない。それくらい彼のコーディネートは一筋縄ではゆかない。
テリーに負けないようなどんなカッコで出演するか。思えば、何を着るかで頭を悩ませることなど近頃ない。ということは、普段会う人でそれほど気を遣う人がいなかった証拠だ。オーセンティックなアイビー・スタイルに決めた。グレー・ツイードのジャケット、同色のコーデュロイ・パンツ、チェックのネルシャツに黒のニットタイ。靴はグレー・キャンバス製デッキモカシンというコーディネーション。
(つづく)