「昔々、アイビーは・・・」。
初のボタンダウン・シャツは見事に失敗した。アイビーのモノ作りは慎重にならざるを得なかった。
本格的なアイビー・スーツが着たい。だが、1950年代半ば、どこにも売っていない。
オーダーで作るより手に入れる方法はない。友人紹介の洋服屋で作ることに決心した。
学生の分際だ、支払いは月賦という
ことで話はまとまった。
生地サンプルをひと山チェック、どんな色柄がアイビー的なのか分からない、洋服屋はもっとわからない。
オヤジが推選した「○○テックス」グレー地にぼやけたストライプの入った生地に決まった。
仮縫いをした。シングル3つボタン、センター・フックベントの「らしい」服が全容を現した。
目はくらみ、のどはカラカラ。なにしろ手本にする服も写真もない中での「創作」である。
アイビーどころか、変なスーツと気付くまで約1年間の月日は流れた。
(つづく)
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