林田昭慶さんが亡くなって2年になる。
林田さんとは、あの『TAKE IVY』の写真を撮ったカメラマンである。
昭慶は「てるよし」とお読みするのだが、
われわれ昔からの友人の間では「しょうけい」さんで通っていた。
初めてしょうけいさんに会ったのは、VAN入社間もない1961年夏のこと。
雑誌「MENS’ CLUB」のグラビア撮影の時だった。
石津祥介(謙介氏長男)さんのアシスタントとして写真スタジオに服を運び込んだ。
「MENS’ CLUB」は創刊号からの愛読者だったので、
グラビアページの製作現場に立ち会えることに興奮と緊張で身を固くしていた。
当時、デジタルカメラはまだなく、フィルムカメラ、それも大型を使うのが一般的だった。
しょうけいさんは厳しい口調でスタジオのスタッフにライティングの指示を与えていた。
怖そうな人、それが第一印象。
(つづく)