今回のスニーカーブームは第3次になる。
3次ブームがこれまでと異なるのは女性中心という点。
1次、2次ともに対象は若い男性だった。デザインや色揃えも男性中心に企画生産された。
1次は1964年にVAN、2次は75年REGALが火付け役で始まった。
幸いなことに、わたしは両社にかかわっていた。
64年暮れ、VANはスニーカーを売り出した。
アパレルメーカーが靴に手を出すのはこれが初めてだったが、われわれには勝算あってのことだった。
この年の10月、東京五輪が開催され、外国からの観光客で都内はあふれ返っていた。
旅行客の足元を注意深くチェックすると、スニーカーが多いことに気付く。
それまで、体育履きとしか頭になかったスニーカーが、
「街履き」として立派に通用することをこの目で確認した。
スニーカーで堂々と街の中を歩くべし。VANはスニーカーとともに、TPOも教えた。成功の原因だった。
(つづく)