あの日から37年になる。
1978年4月6日、VANが倒産した。

それより8年前、VANを退社していたので、まさに寝耳に水の知らせ。
それもマスメディアからの電話で知った。「VANの倒産についていまのお気持ちは」。
事務的な声に心が凍りついた。

突然のことで、「気持ち」といわれても声が出ない。
親の死よりも衝撃的な知らせだった。
よく「頭の中が真っ白」と表現するが、まさにあの状態。言葉が、というよりも息が出来なかった。

しばらく沈黙の末、こう答えるのが精一杯だった。
「気持ちが整理できていないので、コメントは控えさせていただきます」と。

思えば長い1日だった。長いのに何をしたのか記憶がない。
日記帳の4月6日が1ページ分どこか飛んでいったかのようだ。

あの日の気分を強いて言えば、
親友に先に逝かれたとでも表現したら分かってもらえるだろうか。