今年は江戸川乱歩(えどがわらんぽ)生誕120年にあたる。

いまの若い方で江戸川乱歩の名を知らない方も多いことだろう。
1894年生まれの小説家で「心理試験」「D坂の殺人事件」など、1965年に死去するまで
独創的なトリックで探偵小説の基礎を築いた。本名は平井太郎とごく平凡、
変わったペンネームはアメリカの詩人・小説家EDGAR ALLAN POEのパクリなのはいうまでもない。

彼の小説は、わたしの好きなタイプではないのでほとんど読んでいないが、
小学生の一時期「少年探偵団」に夢中になった。少年探偵団シリーズは、
乱歩が1930年から戦争をまたいで60年代まで、少年雑誌などで発表した。
少年たちが名探偵・明智小五郎とともに怪人二十面相と対決し、事件を解決する。
当時の児童小説としては奇想天外な内容で、子どもたちの心をわしづかみにした。
わたしもつかまれた1人であった。(つづく)