Maker's shirt 鎌倉

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岡山県、総社市にユニチカテキスタイル(株)常盤工場は位置する。
ユニチカの技術を集結した、最高レベルの紡績工場である常盤工場。
前身の尼崎紡績から創業から130年、 ユニチカは品質に一切妥協を許さないものづくりを続けている。

2015年3月、この年の春は忘れられない春になった。
ものづくりの愉しさを思い出した特別な瞬間から実に3年が経とうとしている。
その時のワクワクした気持ちは、今では歓びに変わっている。
ようやく世の中にリリースできる事がとにかく嬉しく、 何よりも自信のある素晴らしい物が出来たという強い想いが これまで付き合って下さった工場の皆様への感謝の気持ちに変わっていく。

数々の失敗と1,000日余りの膨大な時間を経て、SUVIN GOLDを使った細番手の生地と、 鎌倉シャツらしい「イージーケア ドレスシャツ」が完成した。
全工程を日本国内で完結させた純正Made in Japanである。
日本の物づくりが高い完成度とオリジナリティ、そして永続性がある事を証明するために、 妥協を許さない日々を経ての集大成がついに発表された。

言葉だけでこうも簡単に表現しては、工場の皆さんに怒られてしまう‥。
何せ糸作りだけで1年位はかかっている。
しかしこのプロジェクトには納期はない。
「世界にない私たちだけのものを納得するまで突き詰めて創る」というのが
今回のプロジェクトのテーマであった。

実は日本では糸を紡ぐ「紡績」工場はもはや存在すらわずかとなっている。
考えてみると糸からの開発にここまで関わる事が出来たのは初めての事だった。
子どもたちが夏休みの自由研究をする様に。
大の大人がコットンを混ぜて糸にしては、また別のコットンに群がっている。
まるで砂遊びに夢中になっている男の子たちみたいに。
その様子を眺めていると何だか湧き出る様な喜びと大きな期待が込み上げてくる。

この情熱によって生まれた糸を、染めて、織って、加工して、縫製する。
まだまだ長い道のりである。その時は本当にそう思っていた。
ところが次の瞬間に一年半の月日が経っていた。
どうやら初めてタイムスリップに成功した様だ。

子どもの頃は30分と決めて始めたゲームも気がつくと3時間、叱られたものだ。
明日やると言った宿題も結局夏休みの最終日、呆れられたものだ。
大人達が夢中になってあれこれしている姿はあの頃のように、愉しそうで輝いていた。
おまけに何回やりなおしても、どんどん予定が遅れても誰にも怒られなかった。
だから後半の500日は本当にあっという間で、とにかくものづくりが愉しかった。

たくさんの人たちが目一杯の愛情を注いで出来上がったシャツは とても優しい気持ちにさせてくれる。
この気持ちを皆様にも、いよいよお届けいたします。

メーカーズシャツ鎌倉 素材開発 佐野貴宏

常盤工場では、昭和26年竣工時のモダンなコンクリート建物が現存し、現在も使われている。
かつては原料を運送するために敷地内にレールが通り、トロッコが走り大規模な紡績が行われていた。
65年余りの歴史ある建物の中で、最新技術を駆使した機械が膨大な量の糸を紡いでいく。
昔から変わらない、高品質のものづくりを続けていくために。
①混 打 綿
不純物を取り除き原綿を均一にする
②カード
不純物を除去し、繊維を平行状態にする
③コーマ
短繊維、ネップを細かい櫛で梳いて除去する
④練 条
均整にし繊維の縮みをとり平行に揃える
⑤粗 紡
引き伸ばして、少し撚りをかける
⑥精 紡
更に粗糸を引き伸ばし、撚りをかける