鎌倉シャツのデニム製品の多くはカイハラデニム生地を使用しています。
広島県福山市を拠点に世界で活躍する生地メーカー カイハラデニム。
日本のみならず世界中のデニムメーカーに生地を提供し、自らもデニムを通した企画提案を行う、世界に誇るMade in Japanデニム生地メーカーです。
1893年に絣(かすり※)の生産からスタートした同社は、1970年にアメリカで行われていたロープ染色の機械を自社開発し、日本初のデニム生地を完成させました。
徹底して品質にこだわり続ける姿勢が認められ、現在では国内だけでなくデニム先進国であるアメリカ、ヨーロッパ、東南アジアなど、世界20数カ国にMade in Japanのデニムを供給しています。
※糸で縛るなどの方法であらかじめ染め分けた糸を用いて織り込み、模様を描く織物
国内初 デニム生地の一貫生産体制
カイハラでは1991年紡績工場を竣工したことで、日本で初めて紡績から染色、織布、整理加工※の一貫生産を実現。原綿から一貫して生産することで全ての工程を自社で管理する事が可能となりました。
※表面のケバを取る毛焼き、生地にコシを持たせる糊付け、ヨジレを防ぐ斜行防止、縮みを防ぐ防縮加工や乾燥処理など製品としての最終仕上げの工程
試作と挑戦
すべての工程を自社で行っているからこそ、各工程の組み合わせから色目や風合いの異なる様々な製品を生み出すことが出来ます。
商品として採用される生地、採用されない生地合わせて年間約1,000種類もの試作品を生み出しています。「日本で一番失敗している会社」という自負と共に、新しいことへ挑戦し続ける姿勢もカイハラが世界中のデニムメーカーからの厚い信頼を得ている理由の一つです。
倉庫に保管されている原綿。約20,000俵がストックされています。ジーンズで換算すると約400万本分
オートメーション化された紡績工場は常に安定した品質、生産量を保っている
染色工程は絣の藍染で培ってきた経験と技術が最大限に生かされている
300台を超える様々な織機を用途に合わせて使い、生産するデニムに合わせた製織を行っている
色合いのについても規格通りに製造されているか、品質がチェックされる
流れる生地を目視でチェックしている。わずかな傷も見逃さない
色落ちを生む染色技術
デニムの染色はインディゴ染料を用いて行います。インディゴ染料は空気に触れて酸化することでブルーに変化しますが、一度では濃い色には染まりません。そこでロープ染色機を使って“インディゴ染料につけては出して空気にふれさせる”という工程を何度も繰り返して濃いブルーに染めていきます。
ロープ染色では綿糸を規格に合わせて数百本以上まとめてロープ状に束ね、綿糸の表面外側からインディゴ染料を徐々に染み込ませて染色を行います。その際の絶妙な調整によって糸の芯を白く残した部分を「芯白」と呼びます。 デニム製品を使い込むと糸の表面部分が削れ、この「芯白」部分が現れます。 この状態が「色落ち」と呼ばれています。
デニム生地を育てる
色落ちによる経年変化はデニム製品の最大の愉しみと言えます。
愛着を持ってアイテムと付き合うことで「自分が育てた」という気持ちと共に世界に一つの魅力的なアイテムとなることでしょう。もしかすると何十年も付き合うことになるかも…。
現在稼働中のロープ染色機
ロープ染色を行った糸の断面。色落ちを生む芯白が見える
鎌倉シャツスタッフが実際に“育てた”
カイハラ生地デニムアイテムを紹介します。
デニムシャツ
使用期間:約3年
品番:WF1100_25
通常の家庭洗濯で使用していたシャツ。
肩から腰に掛けてのグラデーションは日の当たり方の違いによるものでしょうか。
デニムシャツ
使用期間:約2年
品番:WH1307_21
元の色が薄めのデニムシャツなので、大きな色の変化は見られないものの、襟などに変化が見られます。
デニム
使用期間:約10年
品番:D40240_25
長期の使用でじっくりと育ったデニム。
全体の色落ちはもちろん、バックポケットに入れていた物の形に擦れて穴があいている所に愛着を感じてしまいます。
デニム
使用期間:約4年
品番:D40240_25
まだ育ち始めとも言えるかもしれません。
それでもモモ部分の擦れはオリジナル感のある独特の雰囲気です。