貞末タミ子のお洒落ヒストリー
女の白シャツ
2014年3月3日 貞末タミ子のお洒落ヒストリー
男は女が白シャツ、白シャツと騒ぐのが理解できないらしい。
そういえば男は毎日、シャツを着るのだからホワイトでもブルーでも彼らにとってはone of themでしかない。
でも女にとってのシャツはワンピースやカットソーなどヴァラエティに富んだアイテムの中のone of themだ。
そして白シャツはそのone of them の中で特別な存在なのだ。その証拠に春の女性誌はどれも「白シャツ特集」で満載になる。
白シャツは昔から永遠のsimplicityだった。美貌のハリウッド女優の白シャツ姿は時を経ても今なお美しい。
知性、気品を感じさせる白シャツに女は自分を投影させる。あのようになりたいと思うのだ。
白シャツを着る事は誰でも出来る。でも誰もが、これを美しく着こなせるかというとこれが難しい。
無駄をすっかり削ぎ落とした白シャツ姿は、その人のライフスタイルや人格がすっかり現れてしまうから恐ろしい。
だからこそ女として生まれたならば白シャツに挑戦する価値は絶対にあるのだ。
一定の条件を満たしていればだが。
上質な白シャツを着る。これが第一条件だ。
100番手以上の上質な素材に、完璧なディテール…それは襟を立て、胸元のボタンを2つはずした女のうなじを美しく印象的にする。
そして細かいミシン目、シングルニードルといういわゆる袋縫いの丁寧な縫製。そして1つ1つのボタンが輝くホンモノの貝ボタン。
この条件を満たすシャツを手に入れるには2万円以上出さなければならない。
つらいと思う。本当につらい。スーツやワンピースと違って、たかがシャツだ。
「どうしてそんな大枚をはたかなければいけないの?」という悲鳴が聞こえる。だからファストファッションに走るのだ。
ファストファッションを頭から否定するものではない。中には可愛いデザインもたくさんある。
しかし究極のベーシック、白シャツだけは上質なシャツを選ばなければ女が下がる。
佇まいを直しそして体を鍛えて白シャツの似合う女になろう。
食だけでなく世界から憧れの目を向けられる日本女性になって頂く、これが私の願いです。