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シャツは誰のものか?
2017年10月20日 貞末タミ子のお洒落ヒストリー
やはり男のものだ。鮮やかな色のベーシックなシャツ、それにタイをして、シックなジャケットを合わせた男のスタイルは何とも言えず、魅力的だ。
今の時代、若い男はスラッとしているから尚更だ。
和服から洋服と言うものに変わった明治時代から現在に至るまで、服はビジネスマンにとって欠かす事の出来ないものになった。
ただ、今の男の服のスタイルが、ブリティッシュスタイルをとりいれたのは最近の事のようだと・・・思ったら大間違い、明治時代に地位のある人は、キザなソフト帽にステッキを下げ、完璧なジェントルマンスタイルを楽しんでいたようだ。
1972年、今から45年前マフィアのドン、ゴッドファーザーや、シカゴ暗黒界の帝王アルカポネの生涯を大人気のハリウッド映画で見た。
彼らの出で立ちは、何とも言えず素敵だった。
そのギャング達と反対のスタイルがブリティシュスタイルだと思うが、服だけ考えるとどちらも粋な男たちだった。
ゴッドファーザーやアルカポネは、何となく背中に暗い影を落としていたが、それは彼らの生活に原因があるわけで、そのお洒落な姿はなぜか華やかに写って見える。
そんな男たちの事を、人々は粋な男と呼んでいた。
女性の服は男の服より街中に溢れている。
たくさんの色、形が何種類もあって、いったい何を着るべきか買い物に行くたびに迷ってしまう。
それに反して男の服は、形が決まっているので選びやすい。
形が決まっているということは、着ている服その物が、その男の人柄を表しているのだ。
ベーシックなシャツを着ている女性は多くない。
元々、シャツは男のモノと思いこんでいるので、さっぱり興味が湧かない。
でも、それは女性にとってはかなり、勿体ないことだ。
女性用サイズに変えた男のベーシックなシャツを、着てみたらきっと貴女自身が変わっていることを実感するはずだ。
なぜなら男のシャツはすべての服の基本であり、ましてやシックなジャケットに合わせたらそれは、男の中の男なのだ。
だから秋も深まってきた今日この頃、女性もあか抜けたシャツにシックなジャケットを着るべきだ。
きっと注目を浴びるはずだ。
今までと全く異なるスタイルは、却って女らしいスタイルに見えるからだ。
どのようなシャツが12月末に現れるのか説明したい。
創業25周年目の節目のまとめとしてのモデル、言うなれば形をこれまで培ってきた経験やお客様のご意見を参考に、世界中のシャツを研究し、世界中から尊敬されていらっしゃるモデリスト協会長柴山先生による監修のもと、集大成が今、出来上がる。
全てを鎌倉シャツらしく、バランスよく基本のモデル(形)をやり変えたのだ。
通常、アパレルの会社は企画部だけでものを作り上げそれを、工場に依頼するだけだ。
だがこのモデルは工場と一体となって一人一人の縫子さんの意見を聞きながら、現場で作り上げた。
これは類を見ない鎌倉シャツの特徴だ。
後身ごろと前身ごろのバランスを突き詰めて考え、マシンメイドで達成することにより最大のコストパフォーマンスも実現した。
袖についてもメンズシャツのもの作りを参考に、袖が前に自然に振れるようなパターンと縫製になっている。
つまり袖を後ろに振れたままにすると、通常のシャツは袖が後ろに振れて袖の部分にしわが出来る。
それを前に振ることにより、たるみなく自然な姿勢の袖が出来上がった。
バスト周りのシワなども極力出ないような線を意識している。
進化する老舗のシャツとして、分かりやすい付加価値を足すのではなく、シンプルを維持しつつ本質の改変、シンプルでありながらなぜか、鎌倉シャツのレディスシャツの素晴らしさを誰もが理解して、着たいと思うシャツが出来上がる。
鎌倉シャツ創業25年、この記念すべき時に魅力的な女性のための魅力的なシャツを作成する事に全社員が結集した。
鎌倉シャツのこのレディスシャツを「マンハンタンスリム」と名付けた。
この「マンハッタンスリム」は今もこれからも世界中の女性に愛されるシャツとなる。
生地、形、縫製の良さに加え、すべてが整っているシャツはどこにもないことに皆様は気づいて下さるに違いない。
シャツは誰のモノでもなく「女性のモノ」と、なったのだ。
皆様にお礼を申し上げます。