靴下の役目は、靴と素足の間の緩衝材であり、保温・吸汗・乾燥・通気性の確保、靴の外に出る足の上皮の保護。重要な服飾の必需品である。
これらの要素を考えると、夏は綿100%。冬はウール100%が理想である。
靴と素足の間の緩衝材である以上、靴のサイズに適合した靴下のサイズでなければならない。不適合なサイズの靴下は、常に靴底で不当な摩擦を受け、短時間で磨耗する。
私は足が小さく24cmであるため、いつも靴下に苦労を強いられてきた。世の中では、紳士靴下の90%以上が25cm~27cmで販売されている。靴下のかかとが靴の外にはみ出してしまう。
逆に大足の人(28cm~29cm)にとってはいつも靴下を引っ張って履くことになり、足指先や踵とさらに薄くなり靴下の寿命は極端に短くなる。
靴下は編み物であるから、伸縮性があるため、大が小を兼ね、小が大を兼ねるとして、紳士靴下は25cm~27cmに統一されてしまっている。これは顧客志向ではなく、売り手の傲慢であり、売り場では販売効率を重視した結果であろう。
一方、靴下は恰好の贈答品であるため、贈る側はワンサイズが好都合でもあったのだ。靴下売り場はサイズ展開こそないが、ブランドは賑やかに揃っている。まさに贈答品である。
靴は0.5cm単位でサイズが揃えられ、靴幅も何種類も履く人からは要求される。サイズの合わない靴を履くことは苦痛で、これを我慢するひとはいない。しかし市場にある靴下はどうだろうか。
靴のサイズと靴下のサイズの整合性は、(靴下をはく意味を考えても)より求められてもよいのではないか。
何とか気持ちよい素材(天然素材=体に優しい)で自分の足のサイズの靴下が販売されていないだろうか。望むべきもない。どこを探しても見つからなかった。
客も無頓着であり、靴下なんてこんなものだと躾けられたと言えなくもない。お洒落の基本は足元からであり、靴選びは礼儀作法に基づいてより良い物を求めるものであり足元を美しく整えるためには、靴下の重要性は理解し得るものである。
消費者が単なる消耗品でよいと思っているが故に、供給側の顧客満足への努力は進化していないのである。そこで、自社で私自身の欲しい靴下の製作・販売を決意した。幸いにも日本には、私達の要求を満たしてくれる立派な製造工場が現存していた。
冬は細番手※のウールほぼ100%(補強糸入り)、夏はエジプト綿100%。
※48番手双糸のウールドレスソックスなどお目にかかれない!コストがかかりすぎるからだろう…。
サイズはS:23cm~25 cm/M:25 cm~27 cm/L:27 cm~29 cmの3サイズ展開である。
紳士の身だしなみとして欠かせないホーズ(ニーソックス)靴下…だらしなくズリ落ちないで、うっ血もしない高度な技術で編まれた暖かいウールソックスを中心として、ハイソックス(膝下)を2015年10月23日から販売をスタートした。
鎌倉価格は、皆様の期待に応えるものとして!
冬の健康は、(ウールは汗をかいても、水に濡れても、保温力は保たれます)足を暖かくすることからではないだろうか。